谷川岳 山歩き 1 H20 09-28 (中ゴー尾根-保登野沢コース)
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ヒツゴー沢出会
 
 刈り払われた藪を進むとヒツゴー沢に出る。
沢沿いに少し溯上し沢を渡る。
地図には伏流と書いてあるが、水はだいぶ流れている。
 幕岩尾根を左に見て、オジカ沢とヒツゴー沢の間に狭い尾根が続いているやせ尾根が、中ゴー尾根だ。

谷川岳  トマノ耳標高1,963.2m 
      オキノ耳標高1,977m(単独)

中ゴー尾根上部
 
 最後の岩場を越えると、緩やかな登りが稜線に続いている。
ナナカマドが多い尾根道なので、これからの紅葉はきれいになるだろう。
中ゴー尾根は、聞きしに勝る西黒尾根の1.5倍以上きついコースでした。

山行図

 昨日谷川岳には雪が降ったらしい。
谷川岳周辺は、だいぶ歩きましたが、中ゴー尾根を登って見たくなった。

 谷川岳登山指導センターのHPに、中ゴー尾根・いわお新道の草刈が終わったと書いてあってヤブこぎしなくて良いようだ。
 中ゴー尾根は、西黒尾根に比べて登山口が200mも低い。
谷川沿いをだらだら歩き高度が稼げない上、中ゴー尾根取付から一気に1,000mを登り切る。
谷川岳登山コースの中では、一番過酷なのではなかろうか?
 コースタイムを見ると、登り5時間50分、下り3時間45分、計9時間35分も掛かってしまう。
休憩を入れれば10時間以上になる。
川沿いなので増水時は無理だし、夏場はヒルも出る。
最後に歩き残したのも無理は無いだろう。

 つい最近にホワイトバレースキー場ロッジの仕事をしたので、帰りは保登野沢コースを降ってみよう。

 地図には、東大寮と有るが建物は無い、急傾斜地工事に使ったらしく駐車場が広げてあるので車を止める。
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谷川岳の地図

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稜線分岐  11:37
 
 中ゴー尾根を登り切りました。左がオジカ沢ノ頭、右が谷川岳。
稜線の鞍部が分かれ道になっています。
中ゴー尾根だけでも、3時間40分以上掛かってしまった。
水筒・バーナー・防寒着等余分な物があったにしろ、予想外の時間を費やした。中ゴー尾根あなどれず!

中ゴー尾根上部より俎ーとオジカ沢ノ頭

岩場の急登 
 
 細い尾根筋の、急な岩場にネズコの根が張り出している。
両手両足を使いながら、やっと登る。写真を撮る余裕が無くなった。
息もゼイゼイ、気温が低いのに汗びっしょり。
取っ掛かりからこんな急登で先が思いやられる。

中ゴー尾根上部
 
 振り返ると登山道の岩場が続いている。ここまでよく登ったものだ。
谷底には、谷川の流れが糸の様に細く続く、トンネル空気孔の煙突がポツンと立っている。
紅葉が始まったようで、ナナカマドの葉も色づき始めている。
シャッターを切る回数が増えるが、お天気が良くないな。
日が出てくれると、草紅葉が黄色く輝くのだが・・・

中ゴー尾根上部
 
 先行者に追いつけた、かなりへばっている感じがする。
どちらに降るか聞くと、同じように保登野沢を選んだようだ。ここを下るのは、危険が伴いそうだからだろう。
「お先に」とと声をかけ、腰を下ろした脇を通り過ぎる。足元になぜかアカモノが一輪咲いていた。

中ゴー尾根上部
 
 肩ノ小屋もはっきり見えてきて、先が見えた。
天神尾根は、登山者が連なって見え、ロープウェイを利用した人がうらやましい。
あの岩を越えればもう一息。

中ゴー尾根上部
 
 鎖場があった。ここまでロープの欲しい所が幾つもあったが、鎖はここだけだ。
山に慣れた人だけが、景色を楽しみながら登る場所だろう。

←連瀑下部

中ゴー尾根
 
 1039地点少し下り、緩くなると直ぐまた急登になります。
木の丈は低くなりますが、笹や根を掴みながら登ってゆく。
時折ナナカマドの赤い実が目に付く、この高度では紅葉はまだのようだ。
登って行くと西側が開け、幕岩とオジカ沢の連瀑がすばらしい。
何時かこの景色で、一面の紅葉を見てみたいものだ。
 しかし木の隙間から関越トンネル空気孔が見え水を刺す。

二俣よりオジカ沢ノ頭分岐へ

中ゴー尾根入口  8:58
 
 沢を渡ると中ゴー尾根入口と書かれた柱が立つ。
地図によると、ここから4時間の急登がずっと続く。
ここまでは、コースタイム通りに歩いて来たが、これから分岐路まで一気に1,000mを登る事になる。
西黒尾根や白毛門で慣れているとは言え、だいぶきつそうだ。

二俣へ
 
 矢印の指示に従い、川原から高巻くと危険の旗がトラロープに結んである。
さらに迂回しロープを登る。

二俣へ
 
 水の流れる岩場を過ぎるとまた川原に出た。
大きな石がごろごろしていて、流木も沢山ある。
増水時には、物凄い水量が流れ下るのだろう。
 ここで初めて下山者と出会った。
肩ノ小屋からいわお新道を下ってきたそうだ。
昨日は雪で、小屋の屋根から積もった雪がどさどさ落ちてきたそうです。
ガスで稜線縦走を諦め降って来たと言い、ガスの取れた俎ーを見上げ恨めしそうにしていました。
 先行者と二俣で出会って、中ゴー尾根を登ると言っていたそうです。
20分位の差なので何処かで追いつけるかもしれない。
ファイトを出して休まず進まなければなるまい。

二俣へ
 
 2つの大石が見え、右の下にはお地蔵さんがいました。
遭難者の鎮魂のためだろうか、手を合わせ先に行く。

二俣へ
 
 ペンキの先で、急傾斜の崩壊地をロープを使って登る。
この上は平らな道になっていた。

二俣へ
 
 ダルマ岩から川原を少し行くと、この先右上とペンキがある。
このまま川原を遡れそうだが、指示に従う。

ダルマ岩   8:13
 
 シダの原を越えると、大きな岩が見えた。
ダルマ岩だそうだ。
いわれを書いた木片が落ちていたが、全部揃っていないので良く分からず。浄海上人が、谷川温泉を発見したとか?

上流から見ると確かにダルマの形です。

牛首   8:03
 
 再び川原に降り、ロープを伝って岩の脇を足元に気を付け歩く。
足元を滑らせると水の中に落ちてしまので、増水時に歩くのはは、絶対に無理だろう。
鎖を使い岩をよじ登り、川原から上に登る。

牛首   7:55
 
 川原に降り進むと左右から岩がせり出し、首の様に狭くなって文字通り牛首だ。
岩を少し登りると道が抜けて仮設の板が架かっている。
渡り終わると、清水の滴る岩場に大文字草が沢山生えている。

谷川沿いの登山道
 
 谷川を下に見ながら進むと、川が近くになってきた。
澱んだ水が、コバルトブルーに輝き美しい。
この辺りまで、森林浴に散策する人もいるだろう。

谷川沿いの登山道
 
 ほとんど平坦な、うっそうとした杉林を抜けてゆく。だいぶ大きくなり伐採しても良い頃だ。

幕岩とオジカ沢の連瀑

谷川岳南面概念図
 
 一番奥の看板は、何とか見られそうだが、だいぶ痛んでいる。
個人で寄贈したらいい。往年の賑やかさがしのばれる。
 以前は、谷川温泉までバスが来ていたが、だいぶ前に廃止となった。
ヤマヒルも多く出るようになったのは最近だ。
30年も前に仕事をしたが、ヒルの話は阿能川の奥だけでした。

谷川沿いの登山道

 ロクロウ沢、カニカケ沢、柿ノ沢等途中小さな小沢に架設の橋が、4本ある。
1つは崩れ落ち、上流に迂回していく。
雪の重みで傷むのだろう。
床板は腐っていそうで、体重を掛けるのを加減しながら渡る。
人の来ない場所は、整備しないのだろう。
夕方歩けば気持悪いかもしれない。

谷川岳登山 東大寮跡より二俣へ H20 9月28日

天気:曇り   山頂気温:9.5℃
注 このコースは、山ヒルが発生するので夏場は注意して下さい。

谷川沿いの登山道
 
 美しいブナ林と谷川の眺め。
この先の急登が頭の中に無ければ、綺麗な散策路に感動することだろう。
大きなブナの木を思わずパチリ。

谷川沿いの登山道
 
 人気の無い道を先に進み薄暗い林の中は、熊が出そうで気持ちが悪い。
人里近くに出ることが多いので、ラジオを付けて行く。
朽ち果てた表示板が4基もあった。
天神尾根に登山者が集中するので、整備が行き届かなくなると、こんなものだろうか。

山歩き行程 (写真を撮りながらなのであくまで参考です)
東大寮跡-1時間34分-二俣-1時間34分-1039地点休憩6分-2時間9分-縦走路分岐-31分-トマノ耳-13分-オキノ耳昼食休憩39分
-11分-トマノ耳-
51分-避難小屋-33分-天神峠-1時間38分-ホワイトバレー-19分-東大寮跡
全工程 9時間22分休憩45分含む   
連瀑上部→

1039地点  9:22
 
 3本の五葉松のあるピーク辿り着いた。
たまらずザックを降ろし小休憩。先行者はまだ見えず。
木の根があったおかげで登れたが、この先どんな道なのだろうか?
急傾斜でもちゃんと草刈がしてあります。どのくらい苦労されたのか想像出来ませんよ。

二俣   8:44
 
 この付近で谷川本流は西に向かっているのだが、ここから川は見えない。
右は、いわお新道へ登る道、まっすぐ行くと中ゴー尾根に出る。
道標に谷川岳へは、中ゴー尾根4.2km・いわお新道4.0km、谷川温泉へは4.kmと書いてある。
急登に備え腹ごしらえ、おにぎりを胞ばりながら歩いてゆく。
 ここからは、いわお新道共にヤブが綺麗に刈り払われている。
ありがたい事です。

二俣へ
 
 危険箇所を迂回後、また川原に降り、ペンキの指示に従い石を越えて行く。
水が少ないので川原の脇を歩けないものだろうか?
初めてのコースなので、慎重に進むしかないだろう。平均すると平坦な道を歩いた来たので、高度が稼げていない。
1時間半歩いて、150m程しか登っていない。
正面の俎ーを見上げ、この先の急登を考えると、ため息が出る。

中ゴー尾根上部
 
 木々が少なくなると、露岩帯になり辺りが見渡せるようになる。
俎ーからオジカ沢ノ頭が良く見える。
谷川岳の頂上は見えず、肩ノ小屋の避雷針だけが顔を出している。
先を見ると、まだまだ岩場のピークが幾つかありそうだ。

谷川登山口   7:10

 谷川温泉を抜けて、廣池学園の脇を通り、細い道を川沿いに下って行くと行き止まりになる。
地図には、東大寮と有るが建物は無い、急傾斜地工事に使ったらしく駐車場が広げてあるので車を止める。
登山者らしき車が1台止めてある。倉庫脇の階段を登って行くが、登山口の標識は無い。

1039地点  
 
 見晴らしが良い場所です。
左手には、俎ーから幕岩が立ちはだかる。
右には天神尾根を登る登山者が見える。
半袖になりスーッと汗が引く、気持いい眺めだが、谷川岳は中ゴー尾根が邪魔で見えません。
 地図には点線の難路になっていないのだが、初心者には無理でしょう。
私もここを降る気になれません。

ヤマヒル注意 
 
 谷川温泉先には、こんな看板が数箇所立っていました。
湯治客が遊歩道を散策するだけで、ヒルに食いつかれ血だらけになれば、二度と来る気がしなくなるだろう。
食塩水の入った、スプレーが置いてありました。
 しかしこれだけ寒くなれば、もう大丈夫でしょう。

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