ヒツゴー沢出会
刈り払われた藪を進むとヒツゴー沢に出る。
沢沿いに少し溯上し沢を渡る。
地図には伏流と書いてあるが、水はだいぶ流れている。
幕岩尾根を左に見て、オジカ沢とヒツゴー沢の間に狭い尾根が続いているやせ尾根が、中ゴー尾根だ。
中ゴー尾根上部
最後の岩場を越えると、緩やかな登りが稜線に続いている。
ナナカマドが多い尾根道なので、これからの紅葉はきれいになるだろう。
中ゴー尾根は、聞きしに勝る西黒尾根の1.5倍以上きついコースでした。
稜線分岐 11:37
中ゴー尾根を登り切りました。左がオジカ沢ノ頭、右が谷川岳。
稜線の鞍部が分かれ道になっています。
中ゴー尾根だけでも、3時間40分以上掛かってしまった。
水筒・バーナー・防寒着等余分な物があったにしろ、予想外の時間を費やした。中ゴー尾根あなどれず!
岩場の急登
細い尾根筋の、急な岩場にネズコの根が張り出している。
両手両足を使いながら、やっと登る。写真を撮る余裕が無くなった。
息もゼイゼイ、気温が低いのに汗びっしょり。
取っ掛かりからこんな急登で先が思いやられる。
中ゴー尾根上部
振り返ると登山道の岩場が続いている。ここまでよく登ったものだ。
谷底には、谷川の流れが糸の様に細く続く、トンネル空気孔の煙突がポツンと立っている。
紅葉が始まったようで、ナナカマドの葉も色づき始めている。
シャッターを切る回数が増えるが、お天気が良くないな。
日が出てくれると、草紅葉が黄色く輝くのだが・・・
中ゴー尾根上部
先行者に追いつけた、かなりへばっている感じがする。
どちらに降るか聞くと、同じように保登野沢を選んだようだ。ここを下るのは、危険が伴いそうだからだろう。
「お先に」とと声をかけ、腰を下ろした脇を通り過ぎる。足元になぜかアカモノが一輪咲いていた。
中ゴー尾根上部
肩ノ小屋もはっきり見えてきて、先が見えた。
天神尾根は、登山者が連なって見え、ロープウェイを利用した人がうらやましい。
あの岩を越えればもう一息。
中ゴー尾根上部
鎖場があった。ここまでロープの欲しい所が幾つもあったが、鎖はここだけだ。
山に慣れた人だけが、景色を楽しみながら登る場所だろう。
中ゴー尾根
1039地点少し下り、緩くなると直ぐまた急登になります。
木の丈は低くなりますが、笹や根を掴みながら登ってゆく。
時折ナナカマドの赤い実が目に付く、この高度では紅葉はまだのようだ。
登って行くと西側が開け、幕岩とオジカ沢の連瀑がすばらしい。
何時かこの景色で、一面の紅葉を見てみたいものだ。
しかし木の隙間から関越トンネル空気孔が見え水を刺す。
中ゴー尾根入口 8:58
沢を渡ると中ゴー尾根入口と書かれた柱が立つ。
地図によると、ここから4時間の急登がずっと続く。
ここまでは、コースタイム通りに歩いて来たが、これから分岐路まで一気に1,000mを登る事になる。
西黒尾根や白毛門で慣れているとは言え、だいぶきつそうだ。
二俣へ
矢印の指示に従い、川原から高巻くと危険の旗がトラロープに結んである。
さらに迂回しロープを登る。
二俣へ
水の流れる岩場を過ぎるとまた川原に出た。
大きな石がごろごろしていて、流木も沢山ある。
増水時には、物凄い水量が流れ下るのだろう。
ここで初めて下山者と出会った。
肩ノ小屋からいわお新道を下ってきたそうだ。
昨日は雪で、小屋の屋根から積もった雪がどさどさ落ちてきたそうです。
ガスで稜線縦走を諦め降って来たと言い、ガスの取れた俎ーを見上げ恨めしそうにしていました。
先行者と二俣で出会って、中ゴー尾根を登ると言っていたそうです。
20分位の差なので何処かで追いつけるかもしれない。
ファイトを出して休まず進まなければなるまい。
二俣へ
2つの大石が見え、右の下にはお地蔵さんがいました。
遭難者の鎮魂のためだろうか、手を合わせ先に行く。
二俣へ
ペンキの先で、急傾斜の崩壊地をロープを使って登る。
この上は平らな道になっていた。
二俣へ
ダルマ岩から川原を少し行くと、この先右上とペンキがある。
このまま川原を遡れそうだが、指示に従う。
ダルマ岩 8:13
シダの原を越えると、大きな岩が見えた。
ダルマ岩だそうだ。
いわれを書いた木片が落ちていたが、全部揃っていないので良く分からず。浄海上人が、谷川温泉を発見したとか?
上流から見ると確かにダルマの形です。
牛首 8:03
再び川原に降り、ロープを伝って岩の脇を足元に気を付け歩く。
足元を滑らせると水の中に落ちてしまので、増水時に歩くのはは、絶対に無理だろう。
鎖を使い岩をよじ登り、川原から上に登る。
牛首 7:55
川原に降り進むと左右から岩がせり出し、首の様に狭くなって文字通り牛首だ。
岩を少し登りると道が抜けて仮設の板が架かっている。
渡り終わると、清水の滴る岩場に大文字草が沢山生えている。
谷川沿いの登山道
谷川を下に見ながら進むと、川が近くになってきた。
澱んだ水が、コバルトブルーに輝き美しい。
この辺りまで、森林浴に散策する人もいるだろう。
谷川沿いの登山道
ほとんど平坦な、うっそうとした杉林を抜けてゆく。だいぶ大きくなり伐採しても良い頃だ。
谷川岳南面概念図
一番奥の看板は、何とか見られそうだが、だいぶ痛んでいる。
個人で寄贈したらいい。往年の賑やかさがしのばれる。
以前は、谷川温泉までバスが来ていたが、だいぶ前に廃止となった。
ヤマヒルも多く出るようになったのは最近だ。
30年も前に仕事をしたが、ヒルの話は阿能川の奥だけでした。
谷川沿いの登山道
ロクロウ沢、カニカケ沢、柿ノ沢等途中小さな小沢に架設の橋が、4本ある。
1つは崩れ落ち、上流に迂回していく。
雪の重みで傷むのだろう。
床板は腐っていそうで、体重を掛けるのを加減しながら渡る。
人の来ない場所は、整備しないのだろう。
夕方歩けば気持悪いかもしれない。
谷川沿いの登山道
美しいブナ林と谷川の眺め。
この先の急登が頭の中に無ければ、綺麗な散策路に感動することだろう。
大きなブナの木を思わずパチリ。
谷川沿いの登山道
人気の無い道を先に進み薄暗い林の中は、熊が出そうで気持ちが悪い。
人里近くに出ることが多いので、ラジオを付けて行く。
朽ち果てた表示板が4基もあった。
天神尾根に登山者が集中するので、整備が行き届かなくなると、こんなものだろうか。
1039地点 9:22
3本の五葉松のあるピーク辿り着いた。
たまらずザックを降ろし小休憩。先行者はまだ見えず。
木の根があったおかげで登れたが、この先どんな道なのだろうか?
急傾斜でもちゃんと草刈がしてあります。どのくらい苦労されたのか想像出来ませんよ。
二俣 8:44
この付近で谷川本流は西に向かっているのだが、ここから川は見えない。
右は、いわお新道へ登る道、まっすぐ行くと中ゴー尾根に出る。
道標に谷川岳へは、中ゴー尾根4.2km・いわお新道4.0km、谷川温泉へは4.kmと書いてある。
急登に備え腹ごしらえ、おにぎりを胞ばりながら歩いてゆく。
ここからは、いわお新道共にヤブが綺麗に刈り払われている。
ありがたい事です。
二俣へ
危険箇所を迂回後、また川原に降り、ペンキの指示に従い石を越えて行く。
水が少ないので川原の脇を歩けないものだろうか?
初めてのコースなので、慎重に進むしかないだろう。平均すると平坦な道を歩いた来たので、高度が稼げていない。
1時間半歩いて、150m程しか登っていない。
正面の俎ーを見上げ、この先の急登を考えると、ため息が出る。
中ゴー尾根上部
木々が少なくなると、露岩帯になり辺りが見渡せるようになる。
俎ーからオジカ沢ノ頭が良く見える。
谷川岳の頂上は見えず、肩ノ小屋の避雷針だけが顔を出している。
先を見ると、まだまだ岩場のピークが幾つかありそうだ。
谷川登山口 7:10
谷川温泉を抜けて、廣池学園の脇を通り、細い道を川沿いに下って行くと行き止まりになる。
地図には、東大寮と有るが建物は無い、急傾斜地工事に使ったらしく駐車場が広げてあるので車を止める。
登山者らしき車が1台止めてある。倉庫脇の階段を登って行くが、登山口の標識は無い。
1039地点
見晴らしが良い場所です。
左手には、俎ーから幕岩が立ちはだかる。
右には天神尾根を登る登山者が見える。
半袖になりスーッと汗が引く、気持いい眺めだが、谷川岳は中ゴー尾根が邪魔で見えません。
地図には点線の難路になっていないのだが、初心者には無理でしょう。
私もここを降る気になれません。
ヤマヒル注意
谷川温泉先には、こんな看板が数箇所立っていました。
湯治客が遊歩道を散策するだけで、ヒルに食いつかれ血だらけになれば、二度と来る気がしなくなるだろう。
食塩水の入った、スプレーが置いてありました。
しかしこれだけ寒くなれば、もう大丈夫でしょう。