千曲(せんげん)平  6:46

 千曲橋から大きく右に回り込むと、木に赤い目印が括り付けてある。
ここが千曲平で、左の杉林に入ってオゼノ尾根に取り付く。
あおちゅうさんが、取り付き点を探してくれて、尾根伝いに進むのみだ。

小出俣山-阿能川岳山歩き-1 H21 04-07
 横田昭二著 『私が登った群馬300山』に載っていて、残雪時にしかほとんど登られない山です。

 小出俣山(おいずまたやま)は、万太郎山の南に位置し、阿能川岳は、谷川岳のほぼ南である。
ここを縦走できれば、谷川稜線と俎ーを平行に眺めながら歩ける。
谷川山系が好きな私は、あおちゅうさんに3年前から誘われていたが、雪山歩きに自信が持てなっかた事と昨年は残雪が大量に残っていた事等あってここまで延びてしまった。
 今年は雪も少なく、3月21日に阿能川岳へ偵察に登り、後は気象条件が整うのを待っていたが、その後冬型に逆戻りし、新雪も積もったので落ち着くまで待っていた。
 「気ままな男の山歩き」の赤城さんと「あおちゅうの群馬百名山」のあおちゅうさんも同行する事となり、強い味方を得て好天の山歩きを思う存分楽しめました。

 今回は、トレースもしっかり付いていて、天気が良く雪が大変少なく好条件に恵まれましたが、小出俣山への急登や、天子山-三岩山間は危険箇所も幾つか有りますので誰でも簡単に行ける場所ではありません。
 このコースは、登山道ではありません。私達も最後に道を見失いました。
 他の季節に登る人は少ないと思いますが、雪解後は大変な藪になり、難儀をすることになります。
おまけに夏には、
ヒルが出ます。

小出俣山の地図

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小出俣山頂より 360度パノラマ クリックすると大きくなります。
阿能川岳

阿能川岳を目指して、さあ出発!

谷川岳
万太郎山
オキノ耳
トマノ耳
オジカ沢ノ頭
川棚ノ頭
俎ー
万太郎山
エビス大黒ノ頭
仙ノ倉山
平標山
小出俣山へ

 振り返ると遠くに、富士のような形の吾妻耶山が見える。
赤城さん、あおちゅうさんもこの景色に見とれゆっくり登って来る。
小出俣山までは、遮るもののない真っ白い雪景色のみ。
 前に黒い物を発見。手袋である。
そういえばインレッドさんが、荒天の3月29日に登り手袋を吹き飛ばされたそうだ。
後で確認し届けてあげましょう。
こんな場所で、雪が少しでも降ればホワイトアウトになる。
お天気次第で、奇麗な山も悪魔に変身してしまう。

雪崩痕

尾根の岩場  8:34

 クロベ林から先へ進むと、小さな岩場に遭遇。
普通は雪の少ない西側を巻くのだが、トレースは東側に付いているので、こちらを進む。
クロベの林  8:22

 クロベ林の奥は、平坦な場所になり、休息には最適だ。
ずっと急登が続いていたので、林の日陰でほっと一息。
雪山で日陰が恋しくなるほど暑くなった。
小出俣山へ

 美しいブナの木々、急勾配だがこんな山歩きが私は大好きです。
少し登っては、写真を撮るため辺りを見回し、呼吸を整えます。
幾つものトレースが続いている。
残雪期に登るオゼノ尾根も人気のコースになったのかな?
雪があるから急でも登れるのだが、ここを藪漕ぎするのは大変だろうな。
 それにしても汗が出る、どんどん脱いで半袖でも良いようだ。
ザックの中は、半分以上衣服、周りは雪でも初夏の山歩きに近い。
小出俣山へ

 右を向けば、朝日の昇る阿能川岳への尾根筋、帰りはあそこを歩けるかな?
気温の上昇と共に水蒸気が湧き上がってくるようだ。
小出俣山へ

 杉林を過ぎ、ブナ林は雪解け後で、笹薮だがまだ藪漕ぎには至らない。
これからが900m以上のの急登が始まる。
私が飛ばしすぎると、2人が付いて来られないので少しペースダウン。
でも阿能川岳まで行きたいので、ピッチが自然と上がってしまいます。

千曲橋  6:43

 千曲橋手前の左沢右岸には、幾つもに幹が分かれた桂の巨木が、大きく構えて私達を迎えてくれた。
左沢を登って行くトレースがあるが、何処へ行くのだろか?
この時期沢を登るのは、大変危険である。

杉林から天然林

 今度は、うっそうとした杉林になり、日陰のため雪も多く残っています。
トレースも沢山残っていて、こちらも最近人気が出た山になったようである。
 雪は硬いが、トレースで凸凹している。
杉林を抜けると、明るい天然林を林道が来たに延びる。
正面の白い山が、目指す小出俣山だろうか?
右の小出俣沢が広くなり、千曲橋が近い事を伺わせる。

赤谷川第二発電所 調整池  6:15

 小出俣沢だけでなく、赤谷川の水も引いたダムのような大きな調整池でした。
深い山の中に突然人工物があらわてびっくり!。

千曲(せんげん)平へ

 軽トラなら走れる林道かと思っていたら、路肩が大きく崩落しています。
もし早く登りだし薄暗い中で、うっかりしていたら転げ落ちる所でした。
小出俣沢に沿った谷間なので、まだ日が昇ってきません。
途中に、ダンコウバイも咲いて、これから雪山に向かう感じとは思えません。
変わった岩

 少し霜が降りたようだが、朝から暖かい。
落葉の積もった小出俣林道を歩き出すと、とたんに面白い形の岩にめぐり合う。
やわらかい岩をえぐって作った様だが、私には雪庇に見えました。
とても緩い登りで起抜けの私には、足慣らしに丁度良いのです。
この辺りから、十二社ノ峰へ登り、小出俣山-阿能川岳の馬蹄形をやる人もいるそうだが、私達はそこまでとても出来ません。

川古温泉手前駐車場  5:50

 赤城さんの車を、仏岩トンネル入口の駐車場へ止め、あおちゅうさんの車に3人乗り川古温泉方向に向かった。
オゼノ尾根から小出俣山へ取り付き、時間と体力の余裕があれば阿能川岳へ足を伸ばす予定でした。
 
駐車場に車が既に1台、何処へ行ったのだろう。
この先の行き止まりが川古温泉浜屋で、日帰り入浴は午後3:00までだそうだ。
小出俣山へは、ゲートのある林道を右へ登ってゆく。

小出俣山登山 H21 4月 7日

山歩き行程 (写真を撮りながらなのであくまで参考です)
川古温泉手前駐車場-56分-千曲平-37分-クロベ林休憩10分-1時間3分-小出俣山休憩21分-1時間47分-阿能川岳山頂 昼食休憩52分
-25分-三岩山-1時間06分-天子山-29分-鍋クウシ山-16分-鉄塔休憩7分-58分-仏岩トンネル出口-13分-駐車場仏岩トンネル駐車場
全工程10時間17分
休憩1時間30分含む
 1280×1024で最適化しています。
小出俣山へ

 急坂を登り越え、ここから北西方向に進路が変わる。
正面に小出俣山が見えてきた。
 右を向くと小出俣山-阿能川岳稜線下に大きな雪崩跡を発見。
最近の暖かさで、山腹の雪がそっくり抜け落ちたようだ。
俎ーと谷川岳が並んで見える。
遠くは霞んでいるが、素晴らしい眺めである。
山域別記録
日付順山行記録
小出俣山-阿能川岳山歩き2へ
仙ノ倉山
小出俣山頂  9:34

 頂上到達、あおちゅうさんは、3年越しの願いが叶いました。
素晴らしい眺めで感無量でしょうね。
私も赤城さんも感動しました。
 阿能川岳と違い、潅木が無いので360の正しく大パノラマだ。
左から仙ノ倉山-万太郎山-俎ー-谷川岳が、並んで壁のように立ちはだかる。
頂上からの景色は、今まで登った山の中で一番!
時間も早いので、阿能川岳へ向かうことにする。
ゆっくり出来なくて惜しいなあー。
小出俣山へ

 クロベの木立の岡を越えると、坂が幾分緩くなる。
木々も少し小さくなり、森林限界が近づいている。
苦しいのはもう少し、素晴らしい景色が待っている。
小出俣山へ

 雪が多くなって来たので、アイゼンを付ける。
赤城さんは、このために10本爪アイゼンを新調したそうだ。
朝のため沈み込みが少なくとても歩きやすい。
数人分のトレースがしっかり出来ているので、私が先頭でも安心して登れました。
小出俣山 標高 1,749.1m
(あおちゅうさん・赤城さん同行)
天気:快晴   山頂気温:12.8℃
阿能川岳 標高 1,611.3m
(あおちゅうさん・赤城さん同行)
天気:快晴   山頂気温:10.7℃
谷川岳
俎ー
万太郎山
仙ノ倉山
尾根の岩場  

 難所を振り返ると、赤城さん、あおちゅうさんが、無事付いてきてくれました。
ここには、インレッドさんが付けたと思われる、赤ペンキがありコース取りを考えなくて済みました。

谷川岳

俎ー

小出俣山へ

 左は、三尾根岳だろうか雪山が見える。
写真で判る通り、かなりの急勾配を登って行く。
暑い暑い、息も切れてくる、冷たい雪を口に含み喉を湿らす。
カラマツ林

 天を突くような見事なカラマツ林が続くと思ったら、その先に小出俣自然林復元試験地と書いてある看板が立って、カラマツ林が切り開かれていました。
元の森に帰す試験をやっているのとの事。
どうせなら、杉林を切って花粉症対策をすればいいのに。
林を歩いていると、手入れをされていない杉林が一番うっとうしいのだがね。
私の偏見でしょうか?
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