岩場を登る
いくら急でも早月小屋までなんて序の口でした。
追い越して行った若者が、ひょいひょいと岩場を進んで行った。
おいおいあんな崖の上を歩くのかよ!
これから先が思いやられます。
錫ヶ岳
武尊山
暗闇を登る
初めて登る道が夜間となるとハラハラドキドキ。暗いと足場を気にするのでスピードも上げられない。
トレラン姿の方々に次々追い抜かされ追い越す人の数は、ほんの小人数です。
登山道に並べられた麻袋の土のうは、地元の人のボランティアだそうです。
岩場の急登
とうとう核心部まで登って来ました。
これからが本番です。
疲れた体で無理をするとバランスを崩すのでゆっくり休み休み登りましょう。
急な岩場を四つん這いで登っては、小窓から景色を眺めます。
谷川岳の西黒尾根より急な岩場ですし、落石にも注意しなければなりません。
先行者との間隔を保ち、上と足元に気を配りながら3点支持で登ります。
緊張の連続でで喉が渇き、水の消費も多い事。
ずっと岩登りでは無く途中のキレットで水分休憩。
岩の隙間から南側の山並み(奥大日岳)が覗きます。
こんなに登ったのにまだ山頂が見えないな。
この先幾つも岩山を乗り越える事を考えただけでゾクゾクして来ました。
1600m 4:48
聞きしに勝る急登です。
樹林帯をひたすら登り、明るくなっても周りの景色がつかめない。
気温は22℃とそれほど高く無いけれど、汗を拭き取るのが間に合いません。
試練じゃ、試練じゃ、また抜かされるが、1600mで給水タイム。
小学生が降りて来て昨夜は、おじいちゃんとビバークしたとか。すごい!
P2614地点 8:02
ここの右の丘が、P2614地点で見晴らしも良い。剱岳点の記でこの先を断念した場所だ。
先行の若者が御夫婦の写真を撮っている。この方達は私にも依頼して来た。
そして後から来た人にも撮影してもらっていた。話を聞くと昨日7時間掛けて小屋まで来て泊り、山頂まであと2時間も有るので引き返すと言う。もったいないと思うが一般登山者として賢明な判断かも。
早月小屋 6:43
P2224の台地から早月小屋と剱岳が見えました。今までずっと樹林帯を歩いて来たので感動的です。
一旦降ると早月小屋です。トレランの方も休んで、ここでカップラーメンや水を買い、ザックを軽くしているようです。
自分も休憩しておにぎりと水分補給。
足りなくなったら買えばいいので安心。
2000m 6:01
あれなんか高度がおかしいな。
表示板に書かれているのと実際は違うようだ。でも早月小屋1kmと有るので励みにはなります。
二つの水溜りは、最近まで雪が有った名残でしょうか。辺りには、イワカガミ・ミツバオウレン・ムシトリスミレ・アカモノ等見つけました。
剱岳登山口 3:05
舗装道路を進み登山口を目指す。
昼間に確認しておかないと通り過ごしてしまいます。
上の方にちらちら明りが見えても私の周辺には誰もいません。
一本道の登山道とはいえ、ヘッドランプは足元しか見えないので全体が把握できません。
国土地理院地形図を使用しました。
森林限界を超える
小屋から先もまだまだ長い。
2400m付近でやっと森林限界を超える。
これが谷川岳なら森林限界は、1500m以下なので大違いだ。
尾根に出てハイマツが多くなると視界も開けやっと気分も高揚。
早月小屋も真下に見え、高度が上がった。
1920.7三角点 5:37
やっと樹間から周りの山が見えて来た。
古びた三角点は、新田次郎の小説を甦えさせる。
この辺りから山様が変わり花もいろいろ咲いている。
歩いていても山頂が全く分からないので気分が高揚してきません。
馬場島
9:30馬場島に到着。馬場島荘の前に1台分だけ空いていたので駐車する。
上に歩いくとキャンプ場なので、家族連れが団らん中。トイレや水場と登山口を確かめた後、日当たりが良く暑そうなので手前の空き地の日陰に車を移動。窓を開けているとアブが大挙して車内に進入してくる。
上市まで一旦戻りコンビニで食料調達し、後は昼寝の時間です。こんな事なら新田次郎の「剱岳点の記」を持って来て読み返せば良かったと後悔します。
夕方になると登山者が降りて来る。標高735m程度なので日中は、ここでも32℃まで気温が上昇したのでさぞかし暑かったであろう。午後7時頃隣の車の主が帰って来ました。もうヘロヘロだろうな。
明日も暑ければ同じ目に遭いそうなので、私も無謀な事は止めたくなりました。
薄暗くなり、今度は蚊と格闘し2匹退治、蚊取り線香を焚くのも面倒なので、まだ1匹いるが寝てしまった。
肌寒くなり目が覚めるると車内の気温は22℃、もう一寝入りし隣に車が入って来たので、2時頃また目が覚める。
3時までに歩き出す予定なので、仕度をして朝食の焼うどんを無理やり食べ車から出る。
切り開かれた登山道
あと一登りすれば小屋に近付くはず。
でも樹林帯を切り開いたばかりの登山道は、木の根が張り出し歩き難い。
これから整備する見たいで枝で出来た梯子もある。
遠くでエンジン音が聞こえて来た、人の声らしき話し声もして来たので小屋が近い。